2012年4月21日土曜日

9R59DSチューンナップその2

実は、前回ブログアップ時点で59DSは我が家へ戻ってきておりました。
もともと古い機体ですので(でも、昔は中波DXについては幻の受信機と言われた実力機)中波の混変調やハイバンドの感度不足など、こんなもの!と思っておりましたが、グッドコンディションで戻ってまいりました。

整備担当 HHLA氏の整備コメントは以下の通りで、使用感もまさにこの通りです。
今回はなかなか実の有る投稿でございまする!

写真は後ほどアップしていきます。



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整備終りました。現状では85点ってところです。

今回整備してみて、あらためてこの受信機のよさを実感しました。

このRxは高周波1段中間周波2段増幅のいわゆる「高1中2のシングルスーパー式受信機」
で、検波までの高周波段の増幅を3本の真空管だけで行っています(周波数混合に1本
使われているので実質は4本、局部発信にも1本真空管が使われていますが増幅作用は
ないので無視)。

現在の受信機はダブルスーパーだのトリプルスーパーだの、また高周波増幅1段だけでも
FETを4本(クワッド、並列)に使ったり、周波数混合にもFET4本のアクティブDBS
(ダブルバランスドミキサー)などが使用され、検波までには両手に余る能動素子が使用
されています。これに比べればなんとシンプルな構成なんでしょう。それでも必要かつ
十分な感度が得られるというのは真空管がいかにすごい増幅素子であったかを物語って
います。

で前置きはさておき、今回の整備点は

①高周波増幅の真空管の交換
デフォルトは6BA6が使用されています。これは高周波、中間周波増幅で有名な球、
相互コンダクタンス;gm(どれだけ増幅できるか;単なる増幅率とは違う!)が
4400で国産の真空管ラジオやハマーランド(アメリカ)の受信機でよく使用されて
いたもの。

これを今までは6BZ6(真空管テレビの中間周波増幅用:40MHz)を使ってました。
gmは8000で6BA6の約2倍。JRC(日本無線)の真空管受信機やアメリカのドレーク
の高周波増幅に使われていた球です。

ミズホ通信の高田氏が9R-59Dの感度アップの改造にこの6BZ6の記事をかいておら
れたのでよく知られた(多くの人が行っていた)感度改善方法でした。ただし6BA6
と6BZ6では足の配置が違うので、これを直してやらないといろいろと不都合がでる
とのこと……。いままで6BA6用のまま使用していました。

今回足の配置を6BZ6用に直しました。またXXさんとこでは混変調特性が悪いとの
ことで今回さらに6BZ6を6DC6に変更しました(6BZ6も6DC6も足の配置は同じ)。

6DC6はgmが5500で6BA6と6BZ6の中間のgmでコリンズが好んで使用している球
です。6BZ6同様真空管TVの中間周波増幅用の球ですがそこそこのgmのおかげで
混変調特性がいいとか??(真偽はさだかではない;感想を送ってください)

②RF GAINのボリューム交換
今回受信してみて、どうも感度がよくないのが気になっていました。いろいろと調べて
見るとRF GAINのボリュームをショートさせてやると感度がよくなることに気がつきま
した。抵抗0にまわしきった状態で百数十Ωの残留抵抗があって感度を低下させていたよ
うです。
10KΩのスイッチ付きCカーブが使われていますが。現在はほとんどがBカーブで一部
オーディオ用にAカーブが生産されているのみでCカーブのボリュームはありません。
仕方なくBカーブのボリュームに交換しています。
つまみの回す角度とゲインの関係がいままでのとは違って急激に感度が落ちます。なれる
までしばらくかかるかと思いますがこれで我慢してください。またスイッチがなくなって
いるので、最高感度にまわしきっても「カチッ」とは音がしません。

③トラッキング調整
いままでAバンド(中波)はEX-BAND(1620-1700)が受信できるように、またBバンド
は60mb(4.6-5.0MHz)が受信できるようにトラッキングを少しずらしていました。今回
これをもとの状態にもどし、A,Bバンドで本来の感度がでるようにしています。
Cバンドもトラッキング取り直しました。Dバンドは何回が調整したのですが、パッティング
コンデンサーが経年劣化しているためか完全には調整できませんでした。15MHzでは目盛り
は合いますが、17MHzでは実際の受信周波数は目盛りから500-700kHz低くなります。

④バンドスプレッド用のバリコンの羽がはずれていた。
9R-59DSを受け取って中をあけてみると、バンドスプレッド用のバリコンの羽がとれていま
した。あたらには入手できないのでハンマーで押し込み、瞬間接着剤で固定しました。スプ
レッドダイアルは端(0、100の位置)からはまわさないでください。
いままではまわしきった状態でとまりましたが、ちょっとした力でまが羽がはずれそうです。

来週に横浜へXX出張があるので秋葉原まで買出しにでかけようと思っています。Cカーブの
ボリューム、パッティングコンデンサー、500V耐圧のセラミックコンデンサーなど入手できれ
ばまた引き取りにいきます。

****** 13年1月30日更新 関連記事は「wコールがききたくて」 http://ala1530s.blogspot.jp/ です

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